近年、従業員の健康を経営資源として戦略的に投資する「健康経営」が中堅企業の間でも急速に広がっています。単なる福利厚生の延長ではなく、企業の持続的成長と競争力強化につながる重要な経営戦略なのです。特に人材確保が難しい中堅企業にとって、健康経営は差別化の武器になり得ます。
アクサ生命による「経営者200人 全国の働く人15,000人に聞いた中小企業と健康経営の実態」によれば、健康経営に取り組む企業の従業員は約7割が「仕事にやりがいを感じている」と回答しており、未導入企業と比べて顕著な差が見られました。さらに「将来の夢や目標を持っている」と答える割合も高く、前向きな人生観が職場全体の意欲向上につながっていることが示されています。
同調査では、健康経営実施企業における従業員の身体面に関する満足度も高く、「満足している」「やや満足している」と答えた人が66.5%に達しました。定期健康診断や婦人科検診の実施といった具体的な取り組みが、従業員に安心感を与え、健康意識の向上を後押ししていると考えられます。
参照:https://www2.axa.co.jp/pr/pdf/axa_hpm_actual.pdf
でも、「うちの会社には予算も人員も限られているから難しいのでは?」と思っていませんか?
実は、中堅企業だからこそ健康経営の効果が出やすいのです。組織の規模が小さいほど、一人ひとりの健康状態が会社全体のパフォーマンスに与える影響は大きくなります。限られた人材を最大限に活かすためにも、健康経営は中堅企業にとって必須の戦略と言えるでしょう。
健康経営がもたらす具体的なメリット
健康経営に取り組むことで、中堅企業にはどんな具体的なメリットがあるのでしょうか。数字で見てみましょう。
まず企業側のメリットとして挙げられるのは、従業員のパフォーマンス向上です。アクサ生命による「経営者200人 全国の働く人15,000人に聞いた中小企業と健康経営の実態」(2021年)では、健康経営を導入している企業の従業員は、約7割が「仕事にやりがいを感じている」と回答しており、未導入企業との差が明らかになっています。また、「将来の夢や目標を持っている」と答える割合も高く、前向きな姿勢が職場全体の意欲向上につながっていることが示されています。
同調査では、健康経営を実施している企業における従業員の身体面に関する満足度も高く、「満足している」「やや満足している」と答えた人が66.5%に達しました。定期健康診断や婦人科検診の実施といった具体的な取り組みが、従業員に安心感を与え、健康意識の向上を後押ししていると考えられます。
さらに、人材確保の面でも健康経営は効果を発揮します。健康経営を推進する企業は、従業員の定着率が向上するだけでなく、採用市場における評価も高まります。特に若手人材や女性人材の採用において「選ばれる企業」になるための条件として、健康経営は欠かせない取り組みとなりつつあるのです。
従業員側から見ても、健康経営には大きなメリットがあります。健康意識の向上やワークライフバランスの改善は、仕事の満足度を高め、長期的なキャリア形成にもプラスに働きます。特に、健康診断の結果に基づいた個別のフォローアップや、ストレスチェックを活用した職場環境の改善は、従業員の健康リスクを早期に発見し、対処することを可能にします。
中堅企業が健康経営を始める6つのステップ
では、具体的にどのように健康経営を始めればよいのでしょうか?
中堅企業が無理なく健康経営を導入するための6つのステップをご紹介します。これらは実際に健康経営優良法人認定を取得した企業の事例をもとに、コスト対効果を最大化する方法を考慮して構成しています。一つずつ着実に進めていくことで、持続可能な健康経営の仕組みを構築できるでしょう。
企業の健康経営導入5ステップ|失敗しない実践ガイド
ステップ1:経営層のコミットメントと目標設定
健康経営を成功させる第一歩は、経営トップの明確なコミットメントです。社長や役員が「従業員の健康は重要な経営資源である」という認識を持ち、健康経営宣言を行うことから始めましょう。
具体的には、健康経営の推進を経営方針に盛り込み、全社に発信します。この際、「離職率10%削減」「健康診断の有所見率改善」など、具体的な数値目標を設定することが重要です。目標が明確であれば、その後の施策の効果測定もしやすくなります。
ステップ2:健康課題の把握と施策立案
次に、自社の健康課題を正確に把握することが必要です。健康診断やストレスチェックの結果を部署・年代別に分析し、どこにどんな課題があるのかを明らかにしましょう。
例えば、「30代男性の肥満率が高い」「営業部のストレス度が高い」といった具体的な課題が見えてきたら、それに対応した施策を考えます。この際、従業員へのアンケートやインタビューを行い、彼らのニーズや希望も取り入れると、参加率の高い施策になります。
ステップ3:推進体制の構築
健康経営を継続的に推進するには、専任の担当者や委員会の設置が効果的です。人事部門だけでなく、各部署から代表者を選出し、全社的な推進体制を作りましょう。中小規模の企業では、まず健康経営推進リーダーを1名選任し、徐々に体制を拡大していくアプローチも有効です。このリーダーは、健康保険組合や産業医との連携窓口にもなります。
例えば各現場に「健康推進サポーター」を配置し、現場ごとの健康イベントや声掛けを行う仕組みを作ることで、現場の実情に合わせた活動ができるため、参加率が大幅に向上するかもしれません。
ステップ4:具体的な施策の実施
健康課題に基づいて、具体的な施策を実施します。初めから大規模なプログラムを導入する必要はありません。小さな施策から始めて、徐々に拡大していくアプローチが現実的です。
- 定期的なウォーキングイベントの開催
- 社内での簡単なストレッチタイムの導入
- 健康をテーマにした社内報や掲示物の作成
- 外部講師によるセミナー(食事、睡眠、メンタルヘルスなど)
- 禁煙促進プログラム
施策の実施にあたっては、「強制」ではなく「楽しみながら」取り組める工夫が重要です。競争要素やゲーム性を取り入れると、自然と参加率が高まります。
ステップ5:効果測定とPDCAサイクルの確立
健康経営の取り組みを継続的に改善していくには、効果測定とPDCAサイクルの確立が欠かせません。定期的に以下の指標を測定し、施策の効果を検証しましょう:
- 健康診断の結果推移
- ストレスチェックの結果変化
- 施策への参加率
- 従業員満足度
- 欠勤率・離職率の変化
データに基づいて施策を評価し、次年度の計画に反映させることで、より効果的な健康経営が実現します。
ステップ6:認定取得と対外的なアピール
健康経営の取り組みが軌道に乗ってきたら、「健康経営優良法人認定」の取得を目指しましょう。この認定は、特に優良な健康経営を実践している企業を「見える化」する制度で、中小規模法人部門と大規模法人部門があります。
認定を取得するメリットとしては、以下のようなものがあります:
- 採用活動での優位性確保
- 取引先や金融機関からの評価向上
- 従業員のモチベーション向上
- 自治体や金融機関からの優遇措置
認定取得のためには、健康宣言からはじまり、組織体制の整備、具体的な施策の実施、評価・改善のサイクル確立など、一定の要件を満たす必要があります。
コスト対効果を最大化するための3つの秘訣
健康経営を始める際、多くの中堅企業が「コストがかかるのでは?」と懸念します。しかし、工夫次第で少ない投資で大きな効果を得ることが可能です。
ここでは、健康経営のコスト対効果を最大化するための3つの秘訣をご紹介します。
秘訣1:既存リソースの有効活用
新たな投資を最小限に抑えるためには、既存のリソースを最大限に活用することが重要です。例えば、健康保険組合や協会けんぽが提供する無料のサービスや補助金を活用したり、社内の人材を健康経営推進リーダーとして育成したりすることで、外部委託コストを抑えられます。
また、社内報や朝礼など既存のコミュニケーションチャネルを健康情報の発信に活用することも効果的です。
秘訣2:段階的な施策導入と効果検証
すべての施策を一度に導入するのではなく、優先度の高いものから段階的に導入し、効果を検証しながら拡大していくアプローチが効果的です。
まずは、健康診断の結果から最も優先度の高い健康課題に焦点を当て、小規模なパイロットプログラムを実施します。効果が確認できたら、対象者や内容を拡大していくことで、投資対効果の高い施策に資源を集中できます。
秘訣3:社内外のネットワーク活用
健康経営を効果的に進めるには、社内外のネットワークを活用することが重要です。社内では、各部署から健康推進担当者を選出し、現場の声を施策に反映させる仕組みを作りましょう。
社外では、同じ地域や業界の企業と情報交換を行ったり、自治体や商工会議所が主催する健康経営セミナーに参加したりすることで、成功事例や失敗事例を学ぶことができます。
また、「やさい薬膳」のような専門的なプログラムを提供する企業と連携することで、自社だけでは難しい専門的な健康支援も可能になります。東洋医学に基づく食事改善は、特に「なんとなく不調」や女性特有の健康課題に効果的であり、従業員の健康状態を可視化する仕組みと組み合わせることで、より効果的な健康経営が実現します。
健康経営成功のための継続的な取り組み
健康経営は一過性のイベントではなく、継続的な取り組みが重要です。認定取得がゴールではなく、従業員の健康と組織の活力を持続的に高めていくプロセスとして捉えましょう。継続的な取り組みのポイントは、健康経営を企業文化として定着させることです。そのためには、経営層の継続的なコミットメント、中間管理職の理解と協力、そして従業員一人ひとりの主体的な参加が欠かせません。
健康経営に成功している企業に共通するのは、「健康」を単なる施策ではなく、企業の価値観として位置づけていることです。健康経営が企業文化として根付けば、採用力の強化や生産性の向上、企業イメージの向上など、多面的な効果が持続的に現れます。
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