仕事に追われる毎日、なんとなく体調がすぐれない日が続いていませんか?疲れが取れない、集中力が続かない、夜もぐっすり眠れない…。こんな悩みを抱える男性が増えています。
実は、これらの不調は東洋医学の観点から見ると、体内のバランスが崩れているサインかもしれません。そんな現代男性の健康課題に対して、今、「薬膳」が注目を集めています。

薬膳とは、東洋医学の理論に基づいて、食材の持つ性質や効能を活かし、体質や体調、季節に合わせて食事を整える食養生の知恵です。特別な食材を使わなくても、スーパーで手に入る身近な野菜や食材で実践できるのが「野菜薬膳」の魅力。
私自身、体のSOSはでていたものの放置していたまめ過労でドクターストップがかかり休職した経験があります。そんな中で、出会ったのが薬膳の体に合わせて食材の効能をいかして身体を整えるこの食事法。
この記事では、忙しいビジネスパーソンが取り入れやすい方法をお伝えしていきたいと思います。忙しい日常に取り入れやすい実践法をご紹介します。
多忙なビジネスパーソンにおすすめの、期待できる薬膳効能3選
薬膳は単なる食事ではなく、あなたの体質や状態に合わせた「食べる漢方」とも言えます。特に多忙なビジネスパーソンの健康維持に効果的な5つのポイントを見ていきましょう。

1. ストレス軽減と精神安定効果
現代のビジネスパーソンにとって、ストレスは避けられない問題です。東洋医学では、これを「気鬱」と呼びます。気の巡りが滞ると、イライラや不安、気分の落ち込みといった症状が現れます。薬膳では、気の巡りを良くする食材を取り入れることで、ストレスを軽減します。
例えば、シソやミント、パクチーなどの香りの強い野菜や、オレンジやレモンなどの柑橘類は、気の巡りを促進する効果があります。これらを日々の食事に取り入れることで、ストレスに強い体質づくりをサポートします。
2. 免疫力向上と生活習慣病予防
忙しい毎日を送る男性にとって、風邪をひいている暇はありませんよね。薬膳では、体の防御力を高める「正気」を強化する食材を重視します。
3. 老化防止と活力維持
年齢を重ねても若々しさと活力を維持したいと思いませんか?薬膳では、「腎」のエネルギーを補うことが、若さと活力の維持に重要と考えます。黒豆、黒ゴマ、クコの実、ナツメなどの食材も「腎」を補う効果があるとされています。これらを日常的に取り入れることで、年齢に負けない体づくりをサポートします。
忙しい男性のための薬膳実践法
「薬膳は理想的だけど、忙しくて実践できない…」そんな声をよく聞きます。でも大丈夫。日常生活に無理なく取り入れられる、簡単な薬膳実践法をご紹介します。
朝食に取り入れる簡単薬膳
朝は体の「気」が最も活発になる時間帯。この時間帯にしっかり栄養を摂ることで、一日のエネルギー代謝が良くなります。忙しい朝でも実践できる簡単な方法は、いつものトーストにクコの実やかぼちゃの種をトッピングするだけ。または、前日に作っておいた薬膳粥を温めて食べるのもおすすめです。
薬膳粥の基本は、お米に黒豆や小豆、なつめなどを加えて炊くだけ。週末にまとめて作り置きしておけば、平日の朝食に手軽に取り入れられます。
オフィスでできる薬膳ドリンク
デスクワークの合間に、薬膳ドリンクを取り入れるのも効果的です。例えば、生姜紅茶は体を温め、血行を促進する効果があります。市販の紅茶ティーバッグに生の生姜を少し加えるだけで、手軽に薬膳ドリンクの完成です。
また、クコの実やなつめを入れたお茶も、目の疲れや疲労回復に効果的。これらのドライフルーツは長期保存が可能なので、オフィスのデスクに常備しておくと便利です。
週末にまとめて作る薬膳作り置き
週末の時間を利用して、薬膳料理を作り置きしておくのがおすすめです。例えば、「黒豆とひじきの黒黒ライス」は、黒豆とひじきを加えた炊き込みご飯。血行促進効果があり、冷え性や疲労回復に効果的です。冷凍保存も可能なので、平日の忙しい日の食事に活用できます。
また、「鶏手羽と蓮子、なつめ入りのスープ」も作り置きに向いています。鶏肉の「気」を補う効果と、蓮子やなつめの滋養効果で、疲労回復や免疫力向上に役立ちます。
薬膳で実現する仕事と健康の両立
最後に、薬膳を取り入れることで、どのように仕事と健康を両立させていくかについてお話しします。
体質改善による仕事のパフォーマンス向上
薬膳を継続的に取り入れることで、体質が改善され、仕事のパフォーマンスも向上します。例えば、気虚体質の方が「気」を補う食材を積極的に摂ることで、疲れにくい体質に変わっていきます。集中力が続き、長時間のデスクワークでも疲労感が軽減されるでしょう。
また、痰湿体質の方が水分代謝を促す食材を取り入れることで、だるさやむくみが改善され、身体が軽くなります。朝のスッキリとした目覚めは、一日の仕事の質を大きく左右します。
季節に合わせた薬膳で年間を通じた健康維持
東洋医学では、季節の変化に合わせた養生が重要とされています。季節ごとに適した薬膳を取り入れることで、年間を通じて健康を維持できます。
- 春は肝(かん)の季節。新しい芽吹きの季節に合わせて、デトックス効果のある青菜類や苦味のある食材を取り入れましょう。
- 夏は心(しん)の季節。暑さで消耗しやすい時期には、苦味と甘味のバランスが取れた食事が理想的です。
- 秋は肺(はい)の季節。乾燥しやすい時期には、潤いを与える白色の食材(山芋、白きくらげなど)がおすすめです。
- 冬は腎(じん)の季節。寒さに負けない体力をつけるために、黒い食材(黒豆、黒ごまなど)を積極的に取り入れましょう。
ビジネスパーソンのための薬膳活用術
最後に、ビジネスパーソンが薬膳を無理なく続けるためのポイントをご紹介します。
まずは、自分の体質を知ることから始めましょう。東洋医学の「四診」(望診、聞診、問診、切診)の考え方を参考に、自分の体質タイプを把握します。
次に、自分の生活リズムに合った薬膳プランを立てます。朝食重視型、ランチボックス活用型、夕食作り置き型など、自分のライフスタイルに合わせた方法を選びましょう。
そして、無理なく続けられる範囲から始めることが大切です。いきなり全食を薬膳に変えるのではなく、まずは一日一食、または一日一品から取り入れていきましょう。
あなたも薬膳の知恵を生活に取り入れて、仕事も健康も充実した毎日を送ってみませんか?
薬膳についてさらに詳しく知りたい方は、やさい薬膳のサイトもぜひご覧ください。体質別の詳しいアドバイスや、季節に合わせたレシピなど、役立つ情報が満載です。