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薬膳における陰陽説とは?

2026 6/11
コラム 野菜薬膳
2025年7月30日2026年6月11日

薬膳は、東洋医学の理論に基づき、食材の力を活かして体のバランスを整える“食べる漢方”とも言える考え方です。その根幹にあるのが「陰陽説」。この記事では、陰陽の基本的な考え方から、食材や体質、季節ごとの取り入れ方まで、日常に活かせる薬膳の知恵を紹介します。

目次

陰陽説とは?東洋医学における最重要概念

陰陽説は、すべての物事を「陰」と「陽」の二つの性質でとらえる東洋哲学の基本概念。東洋医学や薬膳の中でも、体質や食材の性質、季節の変化を陰陽に分類して考える重要な軸です。

陰陽
冷たい、静か、内向的、暗い、下に向かう熱い、活発、外向的、明るい、上に向かう

この区分は絶対的なものではなく、相対的に変化します。例えば、水は陰ですが、沸騰すれば陽の性質を帯びます。

太極図(陰陽図)に込められた意味

太極図(白黒の勾玉のようなマーク)は、陰陽の関係性を視覚化したシンボルです。

  • 陰陽は対立しつつも補い合う関係
  • 陰の中に陽、陽の中に陰がある(相互依存)
  • 陰陽は常に変化し、移り変わる

この図のように、体も常にバランスを変化させながら保っているのです。

食材にも陰陽がある?薬膳の食材分類

薬膳では、食材の性質も「陰性」「陽性」に分類し、体質や季節に応じて使い分けます。

陰性食材の特徴(体を冷やす)

  • 寒涼性・水分が多い
  • 地中・水中で育つ
  • 色が淡いか濃い

主な食材:

  • 野菜:きゅうり、トマト、レタス、白菜、ほうれん草
  • 果物:バナナ、スイカ、梨、キウイ
  • 海藻:わかめ、昆布
  • 飲料:緑茶、ミネラルウォーター

陽性食材の特徴(体を温める)

  • 温熱性・油分が多い
  • 地上で育つ
  • 色が赤や黄など鮮やか

主な食材:

  • 肉類:牛肉、羊肉、鶏肉
  • 香辛料:生姜、唐辛子、胡椒、シナモン
  • ナッツ:くるみ、アーモンド
  • 穀物:玄米、そば
  • 飲料:紅茶、コーヒー、アルコール

※生のトマトは陰性でも、煮込めば陽性寄りになるなど、調理法でも陰陽は変化します。

体質別・陰陽バランスの整え方

陰虚体質(陰が不足し陽が過剰)

症状:

  • のぼせ、手足のほてり
  • 口・喉の渇き
  • 顔が赤い、イライラ
  • 便秘、尿が濃い

おすすめ食材(陰性):

  • きゅうり、トマト、白菜
  • スイカ、梨、バナナ
  • 緑豆、黒豆、豆腐、白きくらげ、豆乳

控えたい食材(陽性):

  • 唐辛子、生姜、揚げ物、アルコール

陽虚体質(陽が不足し陰が過剰)

症状:

  • 冷え性、特に手足の冷え
  • 顔色が青白い、気力がない
  • 下痢しやすい、水分で体調を崩す

おすすめ食材(陽性):

  • 生姜、ねぎ、にんにく、シナモン
  • 羊肉、鶏肉、くるみ、黒ごま
  • 黒砂糖、はちみつ

控えたい食材(陰性):

  • 生野菜、冷たい果物、冷水

季節と陰陽の関係|薬膳で調整するコツ

東洋医学では、季節の移り変わりも陰陽の変化と捉え、それに合わせた食材・調理法を選びます。

春・夏(陽が高まる時期)

  • 春:陽の芽生え、風の影響強く自律神経が乱れやすい
     → 菜の花、春キャベツ、豆苗、レモンなどをさっと炒める、蒸す
  • 夏:陽が最盛、熱がこもりやすい
     → きゅうり、トマト、スイカ、ミントなどを冷菜や常温で摂取

秋・冬(陰が高まる時期)

  • 秋:乾燥の季節、肺がダメージを受けやすい
     → 梨、さつまいも、白きくらげ、蒸し料理・スープで潤い補給
  • 冬:陰が最も強い、冷え対策が鍵
     → 根菜、黒豆、くるみ、生姜などを使った煮込み料理や鍋料理

忙しい日常で活かせる薬膳の知恵

食事のタイミングごとの陰陽調整

  • 朝:陽気を高める時間。温かいお粥、味噌汁、生姜で目覚めをサポート
  • 昼:消化力のピーク。主食・主菜・副菜をバランスよく
  • 夜:休息へ向かう時間。軽めのスープや温野菜で胃腸に負担をかけない

手軽に作れる薬膳茶・薬膳スープ

  • 温める茶:生姜紅茶、シナモンアップルティー(冷え、疲れに)
  • 冷ます茶:菊花茶、はとむぎ茶(のぼせ、むくみ、肌荒れに)
  • 季節のスープ:
     春:新玉ねぎと豆苗のスープ
     夏:冬瓜とオクラのスープ
     秋:さつまいもと梨のスープ
     冬:根菜と鶏肉のスープ

どれもスーパーで手に入る身近な食材で作れます。

まとめ|陰陽のバランスで体調を整える薬膳生活

陰陽説は、東洋医学・薬膳の土台であり、健康とはこのバランスが取れている状態を指します。薬膳は特別な調理ではなく、日常の食材選びやちょっとした工夫から取り入れられます。自分の体質や季節に合わせた食生活を意識することで、内側から整った健やかな毎日を目指せるのです。

私自身、薬膳と出会って体調を取り戻し、その魅力を伝える活動を続けています。ぜひ、あなたの毎日にも薬膳の知恵を少しずつ取り入れてみてください。

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この記事を書いた人

山川麻子

YAKUZEN TOKYO株式会社 代表。1982年生まれ。デジタル・リアル両面のマーケティング領域でD2Cアパレル事業を手がけた後、体調不良をきっかけに中医薬膳と出会う。食材の効能による体調改善に感銘を受け、「現代人に合わせた薬膳」をコンセプトに、企業向け講座や社食監修、日常に取り入れやすい薬膳サービスを展開。

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